エンツィ

鯉にはたくさんの種類があります。日本でも錦鯉など古くから親しまれてきました。しかし生息する地域が違えば、やはり見た目も少しずつ違います。日本とは違う鯉の仲間を見てみませんか? ここでは東南アジアの鯉について解説します。※画像は「エンツィ」


鯉ってどんな熱帯魚?

鯉の生態について
分類 コイ目コイ科
地域

東南アジア

中央アジア・インド

ミミズ・昆虫

水草など何でも

体長 2cm〜1mくらい
かかりやすい病気 コショウ病・ヒレ腐れ病

鯉(Common Carp)は中央アジア原産といわれていますが、日本でも古くからなじみのある魚です。中国から伝わってきたといわれていますが、実際には琵琶湖など淡水域に野生の鯉が生息していたようです。鯉の仲間は確認されているだけでも2100種類もあります。コイ目という中にはホンコンプレコというタニノボリ科の魚やドジョウ、金魚も含まれます。地味な印象のある鯉の仲間ですが、長く飼っていくときれいな色を出してくれるのが魅力です。鯉の仲間たちは、私たちにじっくりと飼育する楽しみを伝えてくれます。

ラスボラの種類

ラスボラ(Rasbora)と呼ばれる種類の魚は、ダニオ亜科の中にラスボラ属・ボララス属・スンダダニオ属・トリゴノスティグマ属が分類されています。その中でも特に人気のある種類を集めてみました。

トリゴノスティマ属

  • ラスボラ・ヘテロモルファ …… マレー半島に生息するラスボラで、ピンク色の体にブルーブラックの三角形模様が珍しい個体です。群れて泳ぐのがきれいです。
  • ラスボラ・ヘンゲリー …… ボルネオ島・スマトラ島に生息しているラスボラです。ラスボラ・ヘテロモルファに比べて三角形の模様が細くなっているため、ピンクが多く見えて明るい印象があります。丈夫で飼育しやすいので初心者にもおすすめです。
  • ラスボラ・エスペイ …… タイ・マレーシア・インドネシアに生息しています。ラスボラ・ヘンゲリーの体色をより鮮やかにしたような個体です。

ボララス属

  • ボララス・マクラートゥス(マクラータ) …… マレー半島やスマトラに生息しています。鮮やかな赤い色をして、数匹飼うときれいに見えます。

スンダダニオ属

  • ラスボラ・アクセルロディ …… スマトラに生息するラスボラで、飼育が難しいとされています。鮮やかな青いからだをしています。

「どじょう」の種類

「どじょう(Cobitis)」はコイ目ドジョウ科になります。日本にも「どじょう」が生息していますが、数が減少しているため養殖が行われています。観賞魚としての「どじょう」は水槽をきれいにする清掃動物として扱われています。これってある魚に似ていませんか?鯉の仲間に近い種類に「なまず」がいます。「なまず」も清掃動物として飼育されているんですね。「なまず」も「どじょう」もひげがあります。ひげは、水底に生息する魚たちにとって餌を探し出すための大切な感覚器なのです。

 

  • ロングノーズローチ …… タイ・ミャンマー・マレーシアに生息し、ホースフェイスローチとも呼ばれています。馬のように鼻先が長いことから、この名前になりました。おとなしい性格で、よく砂の中に隠れています。
  • クーリーローチ …… 東南アジアに生息し、オレンジ色の体に赤褐色の横帯が入っています。水底のほうで他の熱帯魚の食べ残しを食べる、掃除やさんとして混泳されます。おとなしい上に夜行性なので、日中はあまり見かけません。
  • クラウンローチ …… インドネシアに生息する「どじょうの仲間」です。家で飼育する時は12cmくらいにしかなりませんが、野生のクラウンローチは30cmになることもあります。

そのほか小型の鯉の種類

スマトラやバルブなど小型の鯉はプンティウス(Puntius)と総称され、親しまれています。目立たない存在だった鯉の仲間でも、魅力的な種類が数多く存在しているのです。 スマトラ…スマトラやボルネオに生息している、小型の鯉の代表種です。黄色味のある体に濃い緑色の横帯が入っています。気が荒く噛み癖があるため人気がありません。けれど最近はおとなしい個体が出てきて、飼育しやすくなっています。

 

  • グリーン・スマトラ …… 黒い体にメタリックグリーンが輝く魚です。個体によって黒い部分が多かったりグリーンが多かったりします。グリーンが多いと水草に映えてきれいですよ。 ゴールデン・バルブ…マレーシアに生息する、黄色い輝きがまぶしい魚です。黒っぽい斑紋があります。飼育も繁殖もしやすいので、初心者におすすめです。
  • オデッサ・バルブ …… 東南アジアに生息する、黒い体に真紅の太いラインが入った魚です。改良品種という説もありますが、渋い色が好みの方は挑戦してみるのも良いですね。
  • パール・ダニオ …… タイ・ミャンマー・マレーシアに生息しています。インドに生息しているゼブラ・ダニオよりおとなしい性格です。水草に映える体色をしていて、紫に近い青色をしています。しっぽの付け根中心から金色のラインが入っています。

鯉の仲間の飼い方・飼育環境

魚の大きさに合わせて水槽を選びます。2〜3cmの小型種なら、30cmの水槽で充分でしょう。動きの活発なダニオは大きめの水槽にします。餌は雑食性なので何でも食べます。混泳をするときは、動きの早い魚に餌を取られないか注意して与えます。

繁殖について

成熟した鯉はそのサインとして体の色や模様が鮮やかになります。ホルモンの影響で、口や鼻などに白いぶつぶつができることもあります。鯉の仲間を繁殖させるには、大きめの水槽にピートモスという園芸用の土やウィローモスといった水草を敷きます。そこにプランクトンが繁殖し、稚魚が餌として食べることができます。また、こうして産卵床を作っておくことで、親が卵を食べるのを防ぐこともできます。もし産卵床を作れない場合は、流木に活着する水草を選んで根を張るようにすれば、産卵床同様の効果が得られます。

ラスボラのいる水景

ラスボラを生かしたレイアウトを作るなら、東南アジアの水草を使うこともポイントですが、ラスボラが泳げるように丈の低い水草を選ぶことも大切です。ポイントにボリュームのある水草を置いても良いでしょう。ラスボラはたくさん泳ぎますし、きれいな体色が出るまで時間がかかるので、水草は成長の遅いものを選ぶとラスボラと水草の成長を同時に楽しめるんですね。

飼育のポイント

  • 小型の鯉の多くが養殖され、1年中出回っていますが、ラスボラやローチは野生のものも出回っています。東南アジアの場合、12〜2月に多く輸入されてくるので、この時期に狙ってみましょう。
  • 鯉の仲間は水草によく映えます。水草は光によって成長しますし、魚も光によってきれいな輝きを見せます。ミクロソリウムやロタラなど鯉と同じ産地の水草で、東南アジアの川を再現してみましょう。