熱帯魚の混泳

熱帯魚の専門書には一般的な相性が説明されています。けれど、実際にはもっと個体差があって複雑なものです。飼育してみなければわからない、必ずぶつかる問題といえばそれまでですが、ここでは飼育環境や熱帯魚の個性に合わせた相性について説明したいと思います。


コミュニティタンクって何だろう?

熱帯魚にはいろんな色や大きさ、性格の違う個性があります。1つの水槽で複数の熱帯魚を飼育することをコミュニティタンクといいます。熱帯魚にとっては大家族のようなものですから、中には気の荒い性格のものやひっそりと隠れていたいものもいます。熱帯魚が落ち着いて生活するためにも熱帯魚を選ぶときは、相性を考えて選びます。そんなわけで混泳の相性を知ることは大切なんですね。個体差による違いは選ぶときにチェックするとして、まず一般的にいわれている相性から見ていきましょう。

熱帯魚を購入するときのポイント

見た目で好きな熱帯魚を選んでも、混泳ができずに飼育できないということも考えられます。購入するときに考えておきたいことを挙げてみましたが、混泳するときのポイントにもなります。

 

  • 熱帯魚が健康かどうか …… 当然のことですが、健康でなければほかの魚にも移ることが考えられます。
  • 熱帯魚の性格 …… 熱帯魚ごとの臆病な性格や気の強い性格を変えることは、とても難しいです。無理に混泳させる必要はありません。
  • 熱帯魚の飼育環境 …… 熱帯魚が育ってきた環境を、自分が用意できるかどうかです。大きな水槽が必要なこともあれば、水質管理が大変なこともあります。
  • 何が目的で飼育するのか …… 繁殖が目的の人もいれば、ショーが目的の人もいます。目的が違うもの同士を合わせるのは難しいともいえます。

東南アジア産熱帯魚の一般的な相性

東南アジア産の淡水魚は、水質が適応すれば南米産の熱帯魚と混泳することもできます。養殖された魚は比較的おだやかで飼育も混泳もしやすいでしょう。

鯉の場合

鯉には温和な性格にものが多く、混泳することができます。ただし中にはスマトラのようにヒレの長い熱帯魚をかじるものもいますし、繁殖のときに神経質になる魚もいます。

混泳させるなら …… 「なまず」の小型種・穏やかなアナバス

アナバスの場合

アナバスには同種間で争うものもいますが、穏やかな小型種の場合は混泳させることもできます。

混泳させるなら …… 鯉

エビの場合

お掃除やさんとして重宝されるエビですが、生き餌としても多くの熱帯魚が食べてしまいます。特に大きな熱帯魚とは向きません。草食の熱帯魚や口の小さな小型種なら混泳は可能です。エビは餌になるという前提で混泳させましょう。

混泳させるなら …… 小型の熱帯魚

汽水魚の場合

汽水魚はそれぞれに適した水質が異なるので、確認して混泳させます。淡水フグは他の熱帯魚のヒレをかじる癖があるので、混泳には向いていません。

混泳させるなら …… 汽水魚同士・貝類

南米産熱帯魚の一般的な相性

南米産の場合は水草を使った飼育が多いです。小型種など水草を必要とする熱帯魚同士や大型種同士の組み合わせが向いています。

シクリッドの場合(アフリカ産も含む)

シクリッドは生息地域に合わせて混泳します。南米産・アフリカ産に集中していますが、アフリカ産の中でもマラウイ湖産とタンガニイカ湖産では分けて飼育します。また、シクリッドには気の強い性格の種類もいて、大きなオスカーなどは小さな魚を食べてしまいます。お互いに干渉しあわない魚や対等に渡り合える魚が良いでしょう。小型のドワーフシクリッドも同様です。

混泳させるなら …… 「なまず」の小型種・穏やかな性格のカラシン・南米産シクリッドとエンゼルフィッシュの組み合わせ

「なまず」の場合

「なまず」の多くは穏やかな性格をしています。気の荒い性格の熱帯魚とは向いていません。多くの小型の熱帯魚と混泳ができるでしょう。流木などで逃げ道を作る、水槽を大きめにするとなお良いです。

混泳させるなら …… 小型種と鯉・カラシンの組み合わせ、大型種とアロワナ・南米産大型シクリッドの組み合わせ

「卵生めだか」の場合

ほとんどが小型種で混泳できますが、中には独特の水質で混泳が難しいものもいます。

混泳させるなら …… 鯉・レインボーフィッシュ

カラシンの場合

カラシンには穏やかな性格のものから気の荒い性格のものまで、たくさんの種類がいるので一言ではいえません。穏やかな性格のものが混泳に向いているということはいえますが、小さすぎで食べられてしまうこともあります。また肉食のピラニアは、ピラニア・ナッテリー以外は必ず単独で飼育します。

混泳させるなら …… 「なまず」の小型種・産地ごとの小型シクリッド

アフリカ、そのほかの地域の熱帯魚の一般的な相性

アフリカ産の場合は、その生息した地域でまとめて飼育したり、同種間で飼育することが多いです。そのためか、初心者の人には敬遠されがちですが、アフリカの水槽から作ることで、水質管理の基本的なことを学んだり、古代魚でじっくり飼育する楽しみが得られます。

「卵胎生めだか」の場合

ほとんどの「めだか」が温和な性格なので、混泳に向いています。ただし気の荒い中型魚には注意が必要です。

混泳させるなら …… 「なまず」の小型種

古代魚の場合(東南アジア産も含む)

古代魚には穏やかな性格のものが多く、比較的混泳がしやすいといえます。中にはアロワナのように同種間で争うものもいますが、お互いの体の大きさや個体差にも関係があります。大食いの魚には注意してください。まれに気の強い魚でも、相手によって立場が弱くなることもあります。

混泳させるなら …… 古代魚同士・「なまず」の大型種・アロワナと南米産大型シクリッドの組み合わせ

レインボーフィッシュの場合

レインボーフィッシュの場合も汽水魚同様、体の大きさと水質が合えば混泳させることが可能です。穏やかな性格のものが多いので、多くの種類が楽しめるでしょう。

混泳させるなら …… 「卵生めだか」

混泳のポイント

  • 熱帯魚をいろんな角度から分類してみます。性格・体の大きさ・適応範囲など、どれ1つとして同じ種類はいないわけですから、紹介した以外の組み合わせでも可能なこともあります。似ている部分や補い合える部分を探して、判断してみるのも1つの方法です。
  • 熱帯魚の混泳は野生の環境と違って、熱帯魚に適応してもらっています。無理をして混泳をする必要はないので、混泳できなかったときのために予備の水槽や器具があると良いでしょう。