ティラピア・ブティコフェリィとラビドクロミス・カエルレウス

アフリカンシクリッドはアメリカンシクリッドに比べると、流通量は少ないのですが、現地に生息する数は南米の数倍もあります。アフリカンシクリッドを飼育する人にとっては、憧れの土地でもあります。そんなアフリカンシクリッドの魅力を知ってみませんか? ※画像は「ティラピア・ブティコフェリィ」と「ラビドクロミス・カエルレウス」


アフリカンシクリッドってどんな熱帯魚?

アフリカンシクリッドの生態について
分類

スズキ目カワスズメ科

地域 マラウイ湖・タンガニイカ湖西アフリカ
プランクトン・藻・小魚
体長 7〜60cmくらい
かかりやすい病気

かかりやすい病気:腹水病穴あき病・エピスチリス症

アフリカンシクリッドは、湖の中で自然に進化していった魚です。鮮やかな青や黄色の体色が多く、日本でもアフリカンシクリッドのブームがありました。今でもアフリカンシクリッドは知られていないことがたくさんあるのに、当時はどんどん新しい種類が発見され、情報が散乱していました。そのため、正しい名前や飼育方法がわからないうちに離れていった人も多いのではないでしょうか。環境汚染や放流問題が叫ばれている今こそ、アフリカンシクリッドの良さを再確認してみましょう。

アフリカンシクリッドの種類

マラウイ湖産

  • イエローピーコック …… 繁殖の時期になると、オスが黄色の婚姻色を見せます。青系のシクリッドが多いなか、この黄色が珍しいということで人気になり、現在はヨーロッパで養殖されています。
  • イエローストライプ・シクリッド …… 黄色い体に白と黒のストライプが入ります。
  • スキアエノクロミス・フライエリィ …… 別名アーリーともいいます。他種との交配により、純血種は少なくなりました。真っ青な体が特徴です。
  • ラビドクロミス・カエルレウス …… ムブナ(ゴールデンゼブラ)の中で代表的な種類です。イエローシクリッドとも呼ばれています。黄色い体で飼育しやすく、安価なので人気があります。

タンガニイカ湖産

  • キフォティラピア・フロントーサ …… 青みのあるタイプが人気です。大きいものは35cmにもなります。
  • ジュリドクロミス・オルタナトゥス …… 黄色い体に白と黒のストライプが入ります。
  • スキアエノクロミス・フライエリィ …… 縦に4本のしま模様が入る、ジュリドクロミスの中では大きな個体です。岩で隠れ場所を作ると簡単に繁殖できます。
  • ジュリドクロミス・トランスクリプトゥス …… 小さなジュリドクロミスで見た目の可愛さと繁殖のしやすさで人気があります。
  • ネオランプロローグス・ブリシャールディ …… 小型のシクリッドで、水槽内に複数飼育されていても岩場があれば繁殖します。

西アフリカ産

  • ペルヴィカクロミス・タエニアートゥス …… 西アフリカの川に生息し、数々の地域変異が見られる個体です。それぞれに違う名前がつき、別種のように扱われています。
  • アノマロクロミス・トーマシィ …… シエラレオネという西アフリカの国に生息しています。水槽の中に繁殖する巻貝を食べるので、重宝されています。
  • ティラピア・ブティコフェリィ …… ティラピアという種類の中でも黒と白のストライプが人気の大型魚です。シエラレオネやリベリアという国に生息しています。よく日本の洋食やさんでも「魚介類の○○」という感じで料理に使われています。知らずに食べているかもしれませんが、まずくはないので機会があったら探してみてください。
  • ジュエル・フィッシュ …… 西アフリカの川に生息しています。気の荒い性格をしていますが、繁殖は簡単です。東南アジアで養殖されています。レッドジュエルは最も赤くなり美しいのですが、その分気が荒い感じがします。

アフリカンシクリッドの飼い方

アフリカといっても広い範囲に生息しているので、その地域に合わせた水質調整が必要です。水温は25〜27℃で共通、マラウイ湖とタンガニイカ湖は中性〜弱アルカリ性、西アフリカの川は弱酸性〜中性にします。サンゴ砂は弱アルカリ性の水と相性が良いです。(ティラピア・ブティコフェリィは中性〜弱アルカリ性です)また、混泳は少ないと縄張り争いになりますし、多いと熱帯魚の色がきれいに出ません。アフリカンシクリッドは消化器官が弱いため、餌を食べ過ぎないように1日1回、すぐに食べきれる分だけ与えます。

繁殖について

アフリカンシクリッドの場合は、オスとメスは分けて飼育します。メスが成熟したら、産卵用の水槽にペアを入れて様子をみます。うまく落ち着いてきたら産卵をします。アフリカンシクリッドに見られるマウスブリーダーという、親が卵を口の中で孵化させる方法は他の熱帯魚にも見られます。しかし、アフリカンシクリッドの場合は口の中に卵が入っている期間が長く、孵化率が高いといわれています。ペアを作ってから2〜3週間で孵化した稚魚が現れるでしょう。ほかにも貝や岩、砂に産卵する魚もいます。

アフリカンシクリッドのいる水景

アフリカ産小型シクリッドは混泳が難しいといわれていますが、石や流木をたくさん使うことで、相性の悪い熱帯魚同士でもある程度混泳が可能になります。石を使う場合は割れないような丈夫な水槽を選びます。アフリカ産の水草を活着させて西アフリカの小川のイメージを作ることもできます。

飼育のポイント

  • どの熱帯魚にもいえることですが、魚のストレスを作らないことがポイントですよね。単独飼育にするといじめがなくなったり、水が汚れにくくなる、病気が移るのを防ぐというメリットがあります。
  • アフリカンシクリッドの鮮やかな体色は、自然の中で作られてこその魅力だと思います。天然色素のカロテンなら良いのですが、人工的な色素は魚の体を考慮していないのでおすすめしません。色を作る=色揚げといわれますが、自然の色を出すほうが魚にとっても良いはずです。